「ミスター生命保険」は誰か

日本における「ミスター生命保険」の称号を与えたい人物が二人いる。それはライフネット生命の創始者であり同社の初代・代表取締役社長に就任した出口治明氏と出口氏の後を継いで現在の二代目代表取締役社長の岩瀬大輔氏である。

その理由は、両氏は近代生命保険の基礎を築いた人物でアメリカにおける「生命保険の父」と言われるエリザ・ライト(Elizur wright 1804 –1885)の精神を理解して実際の行動で示したからだ。

当時の米国において、生命保険は制度として普及していたものの、きわめて未熟なもので解約した場合「解約金」が返金されることがなかった。そのために、契約者が足元を見られて合理的な理由が示されないまま不当に安い価格で保険契約が買い取られているのを目の当たりにして、契約者が著しく不利益を被っている現実を理解したエリザ・ライトは自らの政府高官の立場と持前の数理計算(現在の保険数理)を用いて「解約金」を返還する仕組みを作ったことで「近代生命保険」の基礎が確立されたのだ。

エリザ・ライトの功績で一旦は欲深い、ならず者の資本家の手に落ちかけた生命保険を加入者の手に取り戻すことができたことでエリザ・ライトは、のちに「生命保険の父」と言われるようになったのだ。

今日の日本の保険加入の実態は、エリザ・ライトが生きていた当時に勝るとも劣らないほど酷い状態と言わざるを得ない。その理由は、加入者にもたらされるべき利益が不当かつ巧妙に搾取されているからだ。

そのような状況にあって、保険会社を指導監督するべき立場の金融庁は、果たすべき役割を果たしていないのは明らかだ。そのことを金融庁が理解していないことが、加入者が、損をする状況から抜け出せない根本原因』なのだ。

そのような状況にあって出口治明氏と岩瀬大輔氏(http://www.lifenet-seimei.co.jp/profile/message/)と社員スタッフによって、ライフネット生命は運営されていて、同社は、代理店や営業マンを介さずにインターネットによる保険販売で「加入者に寄り添った低価格の保険」を提供している。

出口治明氏と岩瀬大輔氏の「生命保険」に対する思いは「加入者の利益を守ろう」とする純粋なものであることを理解しているので、私は尊敬しているし、心からエールを送りたいと思う。